複式簿記・発生主義会計に基づく財務書類の活用策＜令和５年度＞

提案区

• 中野区

研究目的

　総務省の要請の下、統一的な基準による地方公会計の整備が進められて７年が経過した。また、東京都においては、総務省より一足早く、独自の基準による公会計制度を平成１８年度に導入している。特別区各区は、総務省統一的基準又は東京都方式のいずれかにより財務書類を作成し、決算の参考資料として、議会への報告や区民への公表等を行っている。各区においては、この間、財務書類の作成・公表、経年比較分析について、一定の進展があったが、区政経営における具体的な活用となると、効果的な方策が未だ確立されていないのが現状である。

　そのような状況の中、特別区においては、少子高齢化の進展等により、近い将来、歳入減となることが想定されることから、持続可能な区政運営を確立し、限られた財源を「賢く使う」取組を進めることは極めて重要である。このため、地方公会計情報が各区の意思決定・計画策定における基礎情報となり、効率的な予算編成や施設マネジメントなどに繋がることを目指し、複式簿記・発生主義会計に基づく財務書類の区政経営への具体的な活用策について考察するものである。

令和５年度研究概要

• 先行研究・先進事例と概念の整理
• ２３区へのアンケート調査及び特徴的な回答区に対するヒアリング調査
• 先進的な活用を行っている地方自治体へのヒアリング調査
• 区政経営における具体的・効果的な活用策の検討